今回の本の紹介
芦沢央(あしざわよう)さんの、「悪いものが、来ませんように」
助産院の事務に勤めながら、紗英は自身の不妊と夫の浮気に悩んでいた。誰にも相談できない彼女の唯一の心の拠り所は、子供の頃から最も近しい存在の奈津子だった。そして育児中の奈津子も母や夫と理解し合えず、社会にもなじめず紗英を心の支えにしていた。二人の強い異常なまでの密着が恐ろしい事件を呼ぶ。紗英の夫が他殺体で見つかったのだ。これをきっかけに二人の関係は大きく変わっていく! 一気読みが止まらない、そして驚愕のラスト! 「絶対もう一度読み返したくなる!」「震えるような読後感!」と絶賛された傑作心理サスペンス!
こちらも以前読んでました・・・
なのにまんまと引っかかる・・・
そう、異常なまでの密着。これに尽きる。
異常なのに怖いことに気持ちがとってもわかってしまう・・・
ぐっときたセリフ&個人的メモ
・つわりの苦しみ、お産の痛み、そこからも終わりなく続く育児の日々ー一つひとつを経験するたびに、強くなどなりきれないことを、理想の母親にはなりきれないことを、どうしようもなく知ってしまった。
・嫌ってもいい、憎んでもいいから、幸せになってほしい
・子育てって、もう一度人生を生き直す感じなの。自分も通った道を辿っているはずなのに、新しい発見がたくさんある。親になることで人間的に成長する部分って大きいよ。
・一卵性母娘・・・娘を自分と同一視してしまう
感想(ネタばれになるかも・・・)
この子のもとに、幸せばかりが待っていますように。悪いものが、来ませんように。
タイトルでもあり、文中にも出てくる言葉ですが、これを思わない親はこの世にいないですよね。
愛するが故に思う事で、決して子供を苦しめたり縛り付けたりなんて思ってもないことで。
でも客観的に見るとけっこう行きすぎな愛情だったり、過保護だったりするのかもしれません。
人生幸せばっかりはやってこない。避けようのない悪いこともたくさんとは言わないまでも、まぁまぁやってくる。
それに対して上手に対応できる術を子供には身につけてほしいなぁと思いました。
こんな人におすすめ
・子育て中の方
・過去に親とこじれた事がある方、または今現在こじらせ中の方
★いくつ?
全体的な評価・・・★★★★☆
読みやすさ・・・★★★★☆
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