優しい死神の飼い方 知念実希人

読書

今回の本の紹介

知念実希人(ちねんみきと)さんの、「優しい死神の飼い方」

犬の姿を借り、地上のホスピスに左遷……もとい派遣された死神のレオ。戦時中の悲恋。洋館で起きた殺人事件。色彩を失った画家。死に直面する人間を未練から救うため、患者たちの過去の謎を解き明かしていくレオ。しかし、彼の行動は、現在のホスピスに思わぬ危機を引き起こしていた――。天然キャラの死神の奮闘と人間との交流に、心温まるハートフルミステリー。

十代の時とかに読んだらさぞかしもっとわくわくだったかもと思いました。

死神が犬の体を借りて、ホスピスにやって来る患者達のこの世への未練を解決していくのですが、一つ一つのお話が最終的に全部つながります。

犬の姿になる前は、人間の気持ちや感情とはなんと愚かで低俗なものとバカにしていた死神ですが、レオという名をもらい、犬として人間のすぐ側で生活をするうち、そんな思いも変化していきます。

徐々に人間臭さを増していくレオが可愛くて仕方ありません。

ぐっときたセリフ&個人的メモ

・日常の生活で「死」に触れる機会が極端に少なくなり、そしていつの間にか、自分達がいつかは「死」を迎える運命にある存在だということを忘れはじめた。「死」を意識せず、ただ漫然と与えられた時間を消費し続けてきた者達は、終わりが近づいて来たとき、自分の人生が有限だったことに初めて気づき、無為に過ごしてきた自らの人生を激しく後悔する。そこに「未練」が生まれるのだ。

・自らが限られた時間を生きていることを知っているからこそ、人間はその命を燃やし、与えられた時間を濃密なものとしていくことができるというのに。ただ、そのことに気づくのに遅いということはないのだろう。いくら死の間際になっても、人間は自らの存在意義を知り、残されたわずかな命を輝かせることができるのだ。

・侃々諤々(かんかんがくがく)

ひるまず述べて盛んに議論をするさま。議論の盛んなことの形容。また、自分の考えを遠慮なく言うこと。はばかることなく直言するさま。前向きな意味で使われるのに適している。お互いが自分の意見を盛んに議論したり、はっきりと主張したりする際に用いられるため、相手を言い負かしたり、批判したりする場合は使わない。

Ex①.遠慮せず、【侃々諤々】に意見を出してください。

Ex②.【侃々諤々】な議論の後には得られるものが大きいものです。

感想

死神が犬の姿になって・・・とかちょっとぶっとんだ感じの本ぽいなー読了できるかなーと心配でしたが、とっても楽しく読めました!むしろ久々にこういうファンタジー要素の本が楽しく可愛く読めてルンルンです。

人間の感情に振り回される様を軽蔑していたのが、だんだんと感情に振り回されていくようになるのが読んでいて面白いです。

こんな人におすすめ

・犬好き、動物が出てくる小説を読みたい方

・心温まる小説を読みたい方

★いくつ?

全体的な評価・・・★★★★★

読みやすさ・・・★★★★★

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