今回の本の紹介
沢木冬吾さんの、「約束の森」という作品。
警視庁公安部の刑事だった奥野侑也は、殺人事件で妻を亡くし退職を決めた。孤独に暮らしていた侑也に、かつての上司を通じて潜入捜査の依頼が入る。北の果てに建つモウテルの管理人を務め、見知らぬ人物と暮らしながら疑似家族を演じろという。侑也が現地に赴くと、そこにいたのは若い男女と傷ついた一匹の番犬だった。やがて闇に隠れた謎の組織の存在と警察当局の狙いが明らかになり、侑也は眠っていた牙を再び甦らせる——
知念実希人さんの、「優しい死神の飼い方」と「黒猫の小夜曲」を読んで、ほかに動物が出てくる小説ないかなと、動物縛りで探していて見つけた本です。
ぐっときたセリフ&個人的メモ
・生命力に溢れ、流線型の気高く美しいスマートな体躯。顎、頸、四肢と続く強さ速さの象徴である筋肉。硬めで短め、だが素晴らしい光沢を放つ体毛。
・十九世紀末に人間が作り出したドーベルマン・ピンシャー種。飼い主に対する絶対の信頼と忠誠。力と速さ、しなやかさを併せ持つ完全体。飽くなき忍耐力と追及心。揺らぐことのない剛胆さ。古くから数々の戦場で兵士たちと生死をともにし、警官たちと街を守り、警備員たちと国民の財産を守ってきた、誇り高き犬種。
・丸腰の人間は絶対に勝てないと言われるドーベルマン・・・
・本気で暴れるドーベルマンを押さえつけるなど、大人三人がかりの大仕事・・・
・親和性に欠ける性質でね・・・
・他の犬種と打ち解けづらい性格である。ドーベルマンをドッグランへ連れていくと他の飼い主たちから怖がられ、敬遠される、などという経験談はよく聞く話だ。
・ニヒリスト
ニヒリズムを信奉する人。虚無主義者。世の中の全てを否定し「どうでもいい」という考え。ネガティブな印象があるが、「積極的ニヒリズム」のように肯定的な意味でとらえることもできる。「人には生きいる意味も価値もない、だったら無意味な人生を暇つぶしだと思って楽しんでしまおう!」という考え方。
感想
何を隠そう亡くなった愛犬はドーベルマン。だからこの小説を見つけた時は迷わず読もうと思いました。この表紙もかっこよすぎるし。初めての作家さんだったのでどんな感じが見当もつかずでしたが、とりあえずこの表紙を眺めたいし借りようと。完全なひとめぼれ。
内容云々よりも、どうしてもマクナイトのことばかりが気になってしまうのは犬好きには仕方のないことでしょう。
内容は正直「?」と思うとこも多々あるのですが、とにかくマクナイトがもう素晴らしくいい犬で・・・
でも上記にメモした通り、ドーベルマンってやっぱりこんな風に思われているんですかね。
もちろんマクナイトは警察犬で、そういう訓練というか生き方をしてきた犬なので、我が家の家庭犬ドーベルマンとは雲泥の差なんですが・・・
にしてもすごい言われ方というか認識のされ方だなぁと思わず笑ってしまいました。
でもそれだけ頭もよく、本当に素晴らしい犬種なんです。
「もう犬は飼わないの?」と周りから言われることも多々ありますが、それだけは今のところ絶対ないですね。
というのもあまりにも賢く美しいコだったので・・・
おっと、泣きそうなのでここまで。
こんな人におすすめ
・ドーベルマンを飼っている、飼っていた方(これから飼いたいって方にはオススメしないかな。ドーベルマンに対して過剰な期待値みたいのを持たれても困るので)
・動物(特に犬)が活躍する小説を読みたい方
・警察犬、警備犬などに興味がある方
★いくつ?
全体的な評価・・・★★★★★
読みやすさ・・・★★★☆☆
コメント