今回の本の紹介

またまた窪美澄さん作品で、「たおやかに輪をえがいて」です。
結婚二十年。娘は大学生に育ち、住宅ローンもほぼ完済し、主婦・絵里子の人生は穏やかに収束するはずだった。夫の風俗通い、娘の危険な恋愛、愛した父の不実など、思いがけない家族の秘め事が明らかになるまでは……。妻でも母でもない道が、鮮やかに輝き出す長編小説。
ぐっときたセリフ&個人的メモ
・自分がどこにもいない。絵里子は元々の性格から、自分のことを最優先に考えることはなかったが、若いときにはあったはずの「自分」が今、どこにもいない。忽然と姿を消している。夫のため、娘のため、と生きてきて、絵里子自身が、消え去っていた。私の「自分」はどこに行ってしまったのか。
・一人の未熟な親が、未熟な子どもを育てる。血がつながっていても、心が通じ合わない。
・「生きたいように生きようよ。人生って意外に短いものよ。限りがあるの」
・「私はね、機嫌良く死にたいのよ。ただ、それだけ。この世からいなくなるときに、あんなことしておけばよかった、こんなことしておけばよかった、なんて、後悔したり、誰かをうらんだりしたくはないの。やりつくしたー、生きたーって思って死にたいのよ」
・自分の意志で自分の人生を選びたい。
感想
おもしろかった!やっぱりある程度ボリュームある本のほうが私は好きです。必ずしも面白さと比例するわけでないけども、読み応えがあって良き。
絵里子、かっこいいです。
今どきの人は結婚して子供産んだらすぐまた働きたいって方が多いんですかね。
そしてあと何年かして子供も手かからなくなれば、私も働きたいとか思うのかなぁ。
「機嫌良く死にたい」ってすごい胸にささりました。
そうできるように私も、自分のご機嫌を上手にとれるようになって、やりたいことをしていきたいなと思いました。

こんな人におすすめ
・子育てにひと段落ついた主婦の方
・専業主婦の方
・明るい気持ち、前向きな気持ちになる小説が読みたい方
★いくつ?
全体的な評価・・・★★★★★
読みやすさ・・・★★★★★

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