わたしの美しい庭 凪良ゆう

読書

今回の本の紹介

凪良ゆうさんの、「わたしの美しい庭」という作品です。

小学生の百音と統理はふたり暮らし。朝になると同じマンションに住む路有が遊びにきて、三人でご飯を食べる。 百音と統理は血がつながっていない。その生活を“変わっている”という人もいるけれど、日々楽しく過ごしている。 三人が住むマンションの屋上。そこには小さな神社があり、統理が管理をしている。 地元の人からは『屋上神社』とか『縁切りさん』と気安く呼ばれていて、断ち物の神さまが祀られている。 悪癖、気鬱となる悪いご縁、すべてを断ち切ってくれるといい、“いろんなもの”が心に絡んでしまった人がやってくるが――

ぐっときたセリフ&個人的メモ

・生きていく中でなにかが根っこから解決することなんて滅多にない。しんどい。つらい。それでも明日も仕事に行かなくてはいけない。だからとりあえず明日がんばるための小さな愉しみを拾い集めていくことが優先される。

・誰かと分け合った食べ物は、ひとり分の食事をひとりで食べるよりもずっと心を温めてくれる。

・「ぼくたちは同じだから仲良くしよう」より、「ぼくたちは違うけど認め合おう」「それでも認められないときは黙って通りすぎよう」「無駄に殴り合って傷つけ合うよりは、他人同士でいたほうがまだ平和」

ニーチェ「事実というものは存在しません。存在するのは解釈だけです。

・あばたもえくぼ

あばたとは、疱瘡が治ったあとに顔面に残る発疹の跡の事。

好きになると、醜いあばたさえ可愛らしくえくぼに見える。惚れた目には欠点までも長所に見えることのたとえ。

感想

同性愛者、独身女性、鬱といったいわゆる「普通」とは違うマイノリティ視点での物語展開。

こういった多様性を含む作品は近年増えているんでしょうか。

自分の中の「普通」の枠が少しずつ緩く、広がっていく感じがします。

扱っているテーマは重いのに、全然それを感じさせない、読了後もさわやか!

今ってすごく自由で、いろんな選択肢がある。

でも昔ながらのしきたりとか、常識とかが絡むとなかなか我が道を行くのが困難だったりします。

何よりも自分の心の声を聞く。自分が自分を幸せにできる選択をしていきたいな、と思いました。

こんな人におすすめ

・「普通」「当たり前」って何だろう。と思っている方

・家族のありかたについて考えたい方

・生きづらさを感じている方

★いくつ?

全体的評価・・・★★★★☆

読みやすさ・・・★★★★★

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