今回の本の紹介
道尾秀介さんの、「カラスの親指」という作品です。
人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年二人組。ある日、彼らの生活に一人の少女が舞い込む。やがて同居人は増え、5人と1匹に。「他人同士」の奇妙な生活が始まったが、残酷な過去は彼らを離さない。各々の人生を懸け、彼らが企てた大計画とは? 息もつかせぬ驚愕の逆転劇、そして感動の結末。
ブログを書くにあたりグーグルで調べたら、なんと2012年に映画化もされてたんですね!
悲しい過去を背負ったままサギ師になったタケ(阿部寛)と、成り行きでコンビを組むことになった新米サギ師のテツ(村上ショージ)。そんな2人の元に、ある日ひょんなことから河合やひろ(石原さとみ)と河合まひろ(能年玲奈)の美人姉妹、それにノッポの石屋貫太郎(小柳友)を加えた3人の若者が転がり込んでくる。彼らもまた、不幸な生い立ちのもと、ギリギリのところで生きてきたという。これをきっかけに始まる他人同士のちょっと奇妙な共同生活。やがて、タケが過去に起こしたある事件が、彼らを一世一代の大勝負へ導くことになるが、この時は誰一人、それを知る由もなかった・・・。社会のどん底で生きてきた5人の一発逆転劇。そして驚愕の真実が明かされる・・・。
ゴージャスなキャストじゃないですか。
観てみたい!
それから2022年2月刊行の「カエルの小指」という作品は、今回のカラスの親指を読んだ後におすすめと書いてありました。
これはもう読むっきゃない。
ぐっときたセリフ&個人的メモ
・金というのは薬に似ていて、少量なら効果を生むが、度を超すと覿面に副作用を起こす。
・この世の中は、とても真っ白な心を持った人間が生きていけるような場所じゃない。どこかで人を疑うことも必要なんです。白い心より、広い心のほうがいくらかいいでしょ。この世の中を生きていくには。
・素人の議論なんてものは、最後はけっきょく雰囲気なのだ。
・人品骨柄(じんぴんこつがら)・・・人柄や品性など、その人から受ける印象のこと。 人相や風体から判断できる性格や風格などをいう。 「人品」は、品性や気品のこと。 「骨柄」は、体格や人相から想像する人柄のこと。
・anarchy(アナーキー)・・・①無秩序、無支配②社会秩序や権威から自由であるさま
・rule of thumb・・・おおざっぱ、経験的な
As a rule of thumb,経験から言って~
rule-of-thumb advice 経験則からのアドバイス、おおざっぱなアドバイス
・bullfinch・・・ウソ(鳥)
・heron・・・サギ(鳥)
・swan・・・動詞→あてもなく行く、さまよう
・原始人と落とし穴の話・・・(つまらないトリックの話)
あなたを含めて6人の原始人があなたを先頭にして、小鹿を追って草原を走っていた。
追っている小鹿の行く先には、掘っておいた5つの落とし穴がある。しかし小鹿は上手いこと、その穴を飛び越えていった。先頭のあなたは、うっかり一番目の穴に落ちそうになった。でも、たまたま2人目の原始人があなたを追い越して、その穴に落ちてくれた。進路を変えたあなたは、2番目の穴に落ちそうになったが、そこへたまたま3人目の原始人が落ちた。また進路を変えたあなたは、3番目の穴に落ちそうになったが、そこへたまたま4人目の原始人が落ちた。またまた進路を変えたあなたは、4番目の穴に落ちそうになったが、そこへたまたま5人目の原始人が落ちた。あなたは進路を変えた。そして最後に残った5番目の穴に、6人目のあなたは落ちた。__こうすると、5つの穴に6人が落ちた勘定になる。
感想
感想ヤミ金組織とか借金とか家族の死とか、重く暗いんだけど、タケさんとテツさんの会話のやり取りが面白かったり、まひろ・やひろ・貫太郎のキャラも良くて、暗い内容のはずなのにそう感じさせない。
インスタで「放心状態になる小説」とかで紹介されていたので今回読んだのですが、放心したかは微妙ですが、最後の最後につながる感じがスッキリでした。
こんな人におすすめ
・騙されたい!って方
・大どんでん返しストーリーが読みたい方
・面白い小説が読みたい方
★いくつ?
全体的評価・・・★★★★★
読みやすさ・・・★★★★★
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