今回の本の紹介
小野寺史宜さんの、「ライフ」という作品です。
快速が停まらない街、しかも駅から徒歩十五分。荒川沿いに立つ築三十年のアパートに井川幹太はひとりで暮らしていた。学生時代も、就職してからも、会社を辞めてからも、ずっとおなじ部屋でのひとり暮らし。やりたいことも見つからぬまま、気がつけば二十七歳になっていた。父は高校生のときに他界、母は再婚して別の家庭をもっていたから、いまの幹太の生活は自分ひとりだけのもの。コンビニでアルバイトをしながら、たまに結婚式の代理出席のバイトも入れる以外は、これといって何もない日々。そんなある日、上の部屋に戸田という騒がしい男が引っ越してきて、奇妙なつきあいがはじまる。図々しく遠慮のない言動を警戒していたが、自分の過ちを隠そうともしないあけっぴろげな戸田とその家族のすがたに、幹太は次第に惹かれていく。――。未来に何の期待も持てずにいた青年が、明日への一歩を踏み出すまでを描いた胸に迫る青春小説。
ほかにも「ひと」「まち」「いえ」なんていうタイトルの本もあり、早速予約しました。
ぐっときたセリフ&個人的メモ
・「子どもはね、いいよ。ただいいとしか言えない。目が合うでしょ?で、笑う。それでもう充分」
・「生きてさえいれば、人は何者でもあります」
感想
物語全体がたんたんとしていて、ものすごい盛り上がりとかもないんだけど、なんというか平和な気分で読めて、なんか心温まるような作品。ところどころ言い方とかが面白くてクスっとしたり。私は割と暗めな感じの小説を読むのですが、そういうのって読み続けていると病んでくるんですよね、心が。そんな時にこういった作風のを読むと元気になるんです。いい意味で普通のお話っていうか。調べたらつながりのある作品が多いみたいなので、他のも一気に読みたいな、と思いました。
こんな人におすすめ
・平和なお話が読みたい方
・人とのつながりや人間関係に興味のある方
・一人暮らしの方
・ほのぼの青春小説が好きな方
★いくつ?
全体的評価・・・★★★★★
読みやすさ・・・★★★★★
コメント