自転しながら公転する 山本文緒

読書

今回の本の紹介

山本文緒さんの、「自転しながら公転する」という作品です。

東京のアパレルで働いていた都は母親の看病のため茨城の実家に戻り、地元のアウトレットのショップで店員として働き始めるが、職場ではセクハラなど問題続出、実家では両親共に体調を崩してしまい……。恋愛、家族の世話、そのうえ仕事もがんばるなんて、そんなこと無理! ぐるぐる思い惑う都の人生の選択から目が離せない、共感度100%小説。

ぐっときたセリフ&個人的メモ

・経験はお金じゃ買えないですからネ。

・恋愛なんて楽なわけないですよ。人間同士の感情のぶつけ合いですからね。

・何かに拘れば拘るほど、人は心が狭くなっていく。幸せに拘れば拘るほど、人は寛容さを失くしていく。

・心配するとは、束縛することと紙一重なのだ。

・明日死んでも悔いがないように、百歳まで生きても大丈夫なように、どっちも頑張らないといけないんだよ

・別にそんなに幸せになろうとしなくいていいのよ。幸せにならなきゃって思い詰めると、ちょっとの不幸が許せなくなる。少しくらい不幸でいい。思い通りにはならないものよ。

・ラプラスの悪魔・・・フランスの数学者、ピエール=シモン・ラプラスが述べた、「この世全てを知っているため、未来を全て予測できる存在」の概念、架空の存在のこと。ある瞬間におけるすべての原子の位置と運動量を知り得る存在がいると仮定すると、物理法則にしたがって、その後の状態をすべて計算し、未来を完全に予測することができると主張。しかしこれらは20世紀に誕生した量子力学によって否定される。
現代では、「全知全能の存在」や「未来はすでに決まっている」といった意味合いで小説やアニメなどで使用されることもある。

・リスクヘッジ(和製英語)・・・将来的に生じるかもしれない危険に対して、その被害をできる限り低減するための準備や、危険を避けるための対応を用意しておくこと。

感想

面白かった!私的にここ最近読んだ本の中で一番かな。単なる恋愛ものと思いきや、色んな問題も描かれています。セクハラ、パワハラ、親の介護、転職、結婚・・・主人公都の友達がいい人達なのが素敵。正直私は貫一みたいな男性は無理かなぁ・・・車の一件も然り、ティファニーのネックレスの件も然り・・・プロローグとエピローグ、読み返しました。「えー!そっかそっかそっかぁぁ!」って感じで良きでした。この年になると都目線で読んだり、母親目線で読んだりできるので楽しいです。

こんな人におすすめ

・アラサー女子の方

・結婚相手で迷っている方

・ホームドラマテイストありの恋愛小説を読みたい方

★いくつ?

全体的評価・・・★★★★★

読みやすさ・・・★★★★★

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