読書 道づれの猫 唯川恵 ふり返れば、いつもかたわらに猫がいた。離婚して傷ついた時、肉親を亡くした時、家庭のある男を愛した時、人生の様々な場面で猫に救われてきた女性たちの心洗われる七つの物語。帰省するのはいつぶりだろう。大学進学を機に上京して十四年、忙しさにかまけて実家から足が遠のいていた私は、新幹線で金沢に向かっていた。まもなく旅立つであろうミャアを見送るために──。(「ミャアの通り道」) 2023.06.01 読書